英語の名詞はいくつかの種類に分けられます。
例えば、その名詞が「1つのものを表すのか」、それとも「いくつかのものを表すのか」によって、単数形または複数形に形を変えます。
また、単数・複数という分け方以外にも、その名詞の性質によって「可算名詞・不可算名詞」や「普通名詞・集合名詞・固有名詞・物質名詞・抽象名詞」に分けられるため、少し複雑です。
名詞の種類多すぎ!頭の中を整理したいですね。
ここでは、英語の名詞の単数・複数とは何か?あわせて可算名詞・不可算名詞、そして普通名詞・集合名詞・固有名詞・物質名詞・抽象名詞とは何か?を解説していきます。
英語の名詞とは
名詞とは、人や物の名前、概念を表す言葉のことを言います。
例: Yamada Hanako(山田花子)、apple(りんご)、car(車)、information(情報)など
英語の単数・複数とは
英語の名詞では、表すものがひとつの場合、単数(単数形)となり、いくつかのものの場合は複数(複数形)となります。
ほとんどの名詞は、前に不定冠詞aを付けることで単数を表すことが出来ます。
例: a pen(〔1本の〕ペン)、a chair(〔1脚の〕いす)、a map(〔1枚の〕地図)など
複数を表す際には、名詞の語尾にsを付けます。
例: books(〔何冊かの〕本)、cakes(〔いくつかの〕ケーキ)、trees(〔何本かの〕木)など
特定の語尾を持つ名詞にはsを付けない
ただし、特定の語尾を持つ名詞には、語尾にsを付けません。
特定の語尾① s、ss、sh、ch、o、x、zで終わる名詞の場合
語尾がs、ss、sh、ch、o、x、zで終わる名詞には、sではなく、esを付けます。
例: buses(〔何台かの〕バス)、boxes(〔いくつかの〕箱)、potatoes(〔何個かの〕じゃがいも)など
特定の語尾② yで終わる名詞の場合
語尾がyで終わる名詞では、yの1つ前の音が母音※の場合と、子音※の場合で形が変わります。
※母音(ぼいん)とは、「ア、イ、ウ、エ、オ」5つの音のことを言います。
※子音(しいん)とは、母音以外の音を言います
yの1つ前の音が母音の場合には、語尾にそのままsを付けます。
例: boys(yの1つ前の音が「オ」)、bays(yの1つ前の音が「エ」)、keys(yの一つ前の音が「イ」)など
yの1つ前の音が子音の場合には、yをiに変えてesを付けます。
例: studies(studyのyの1つ前の音が子音)、countries(countryのyの1つ前の音が子音)など
特定の語尾③ f、feで終わる名詞の場合
語尾がf、feで終わる名詞では、f、feをvに変えてesを付けます。
例: leaves(leafのfをvに変えてesを付けた)、lives(lifeのfeをvに変えてesを付けた)など
名詞の複数形には例外もある
多くの名詞が上記のルールで複数形に変化しますが、例外もいくつかあるので注意が必要です。
語尾がoで終わる名詞でも、esではなくsを付けるものがあります。
例: radios(〔何台かの〕ラジオ)、photos(〔何枚かの〕写真)、pianos(〔何台かの〕ピアノ)など
語尾がfで終わる名詞でも、そのままsを付けるものもあります。
例: roofs(〔いくつかの〕屋根)、beefs(〔いくつかの〕牛肉)、など
独自の形で複数形を作る名詞
他にはない独特の形で複数形を作る名詞もあります。
例: children(child〔子供〕の複数形)、feet(foot〔足〕の複数形)、women(woman〔女性〕の複数形)など
表にまとめると以下のようになります。
名詞が表すもの | 変化のしかた | |
---|---|---|
単数(形) | 1人(ひとつ)の人や物 | 不定冠詞aが先頭に付く |
複数(形) | 何人か(いくつか)の人や物 | 語尾にsやesなどが付く |
名詞の単数形・複数形は、「表すものが『ひとつ』または『複数』かによって、先頭にaが付いたり、語尾にs・esなどが付いたりした形のこと」と考えましょう!
最初はルールに戸惑うかもしれませんが、慣れると「英語の単数・複数とはこういうものだ」と理解できるようになってきます。
英語の可算名詞・不可算名詞とは
つぎに英語の可算名詞・不可算名詞について解説していきます。
可算名詞とは
可算名詞は、一定の形があり数えられるものを表す名詞のことを言います。
例: apple(りんご)、car(車)、pencil(えんぴつ)、rabbit(うさぎ)など
可算名詞には以下の4つの特徴があります。
①単数・複数の区別ができる | 例:a cat、cats |
②単数の場合、不定冠詞aが付く | 例:a cat、a dog |
③数詞※が付けられる | 例:two cats、three dogs |
④複数の場合、不定の数を表す語※が付けられる | 例:many cats、several times |
※不定の数を表す語とは「多くの」「少しの」などの意味を表す言葉を言います。例:many(多くの)、a few(少しの)、several(いくつかの)など
不可算名詞とは
不可算名詞は、個数で数えられないものを表す名詞のことを言います。
例: money(お金)、water(水)、work(仕事)、air(空気)など
不可算名詞には以下の4つの特徴があります。
①複数形にしない | 例:milks(×)、sugars(×) |
②不定冠詞aを付けない | 例:a milk(×) 、a sugar(×) |
③数詞を直接付けられない | 例:two milk(×)、two cups of milk(○) |
④量を表す語※が付けられる | 例:a little milk、much suger |
可算・不可算どちらも可能な名詞が多い
1つの名詞につき、可算か不可算のどちらかひとつというわけではありません。つまり可算・不可算どちらの使い方も可能な名詞が多くあります。
下の例文ではschoolは可算名詞で、「いくつかの学校」を表すのに使用されています。
There are five schools in the town.(その町には学校が5つある。)
下の例文ではschoolは不可算名詞で、「学校全体」を表すのに使用されています。
School begins at eight thirty.(学校は8時半に始まる。)
同じ単語でも、意味によって可算名詞になったり不可算名詞になったりするので、その文が何を表しているのかを注意深く見ていく必要があります。
可算名詞・不可算名詞は「数えられる・数えられないという点において、名詞を分類したもの」と考えよう!
英語の普通名詞・集合名詞・固有名詞・物質名詞・抽象名詞とは
さらに英語の名詞は、その性質において「普通名詞」「集合名詞」「固有名詞」「物質名詞」「抽象名詞」の5種類に分けて考えることが出来ます。
普通名詞とは
普通名詞は、一定の形や区切りがあるものを表す名詞を言います。すべて可算名詞なので、単数形・複数形が存在します。
例: car(車)、desk(机)、tree(木)、house(家)など
物質名詞とは
物質名詞は、一定の形や区切りがないものを表す名詞を言います。すべて不可算名詞なので、不定冠詞aを付けたり、複数形に変化することはありません。
例: sound(音)、water(水)、salt(塩)、wood(木材)など
集合名詞とは
集合名詞は、同じ種類のものの集合体を表す名詞のことを言います。通常、可算名詞として用いられますが、一部不可算名詞として使われる場合もあります。
可算名詞として使われる集合名詞は「人の集合体」を表す名詞となっています。
例(可算名詞): class(クラス)、family(家族)、staff(職員)、audience(聴衆)など
不可算名詞として使われる集合名詞は「事物の集合体」です。
例(不可算名詞): furniture(家具)、mail(郵便物)、baggage(手荷物)、clothing(衣類)など
固有名詞とは
固有名詞は、特定の人や物の名前を表す名詞を言います。不可算名詞で、大文字から始まるという特徴があります。
例: Japan(日本)、Chiba Prefecture(千葉県)、Picasso(ピカソ)、Yamada Taro(山田太郎)など
抽象名詞とは
抽象名詞は、形を持たない抽象的な概念を表す名詞を言います。「抽象的な概念」というのは、性質や状態、感情、学問、主義、病気、運動などのことです。不可算名詞で、冠詞を付けず単数形で用います。
例: music(音楽)、information(情報)、experience(経験)、beauty(美しさ)など
「普通名詞で可算名詞」とか「物質名詞で不可算名詞」とか、さらに複雑になっているような気がするけど・・・
少しわかりにくいですが、「可算・不可算名詞」と「普通・物質・集合・固有・抽象名詞」の関係性は以下のようになっています。
普通名詞・集合名詞※ → 可算名詞
物質名詞・固有名詞・抽象名詞 → 不可算名詞
※集合名詞には一部不可算名詞が含まれていますが、通常は可算名詞として用いられるため、ここでは「可算」としています。
まとめ:英語名詞の種類は表すものの数や性質によって分けられる
英語名詞の色々な種類、「単数・複数」「可算名詞・不可算名詞」「普通名詞・集合名詞・固有名詞・物質名詞・抽象名詞」について解説しました。
振り返ると、以下のようになります。
●名詞の「単数・複数」は、表すものが「ひとつ」または「複数」かによって、先頭にaが付いたり、語尾にs・esなどが付いたりした形のこと
●「可算名詞・不可算名詞」は、数えられる・数えられないという点において名詞を分けたもの
●「普通名詞・集合名詞・固有名詞・物質名詞・抽象名詞」は、持つ性質や意味によって名詞を5種類に分けたもの
名詞は、登場する頻度がもっとも高い品詞です。また主語や目的語、主語の内容を表す補語などにも使われるため、文の中で重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
名詞の種類は多くちょっと複雑ですが、しっかりと頭に入れておきたいですね。