「主語が自分から動作を行う」か「主語が他から動作を受ける」かによって、能動態(のうどうたい)・受動態(じゅどうたい)のどちらを使うかが決まります。
能動態はシンプルに「主語 + 動詞」の並びで表すことができますが、受動態の場合、表現方法が少し違います。といっても、それほど複雑なものではないので、この機会に受動態の文の作り方をおさえておきましょう。
この記事では、英語の能動態と受動態の違いや、文の作り方についてわかりやすく説明します。
英語の能動態と受動態の違い
英語の能動態とは「主語が自分で動作を行っている」文章のことを言います。
一方、受動態は「主語が外から動作を受ける = 受け身」の文章となります。
【能動態】 My mother makes dinner.(母が夕食を作る。)→ 母が(自分で)夕飯を作っている
【受動態】 Dinner is made by my mother.(夕飯は母に作られる。)→ 夕飯が母によって作られている
教科書や参考書で接する英文の多くが能動態の文章です。能動態は「主語が○○する」というシンプルな形になるため、文の意味を理解しやすいですね。
受動態は「主語が○○される」という、ひねりのある表現になるため、少し頭を切り替える必要があるかもしれません。
受動態の文の作り方
受動態を表す文は、「be動詞 + 過去分詞(+ by ~)」で作ることができます。
能動態の文では、主語と動詞の間にbe動詞が入ることはありません!
ここで大事なポイントとなる過去分詞について、以下で少し見ていきましょう。
過去分詞とは
英語の動詞は、表したい意味や時(現在・過去・未来)によって形を変化させます。その変化の形を「活用形」と言います。
動詞の活用形には、現在形・過去形・過去分詞形・現在分詞形 の4種類があります。
活用形の例をいくつか見てみましょう。
現在形 | 過去形 | 過去分詞形 | 現在分詞形 |
love(~を愛する) | loved | loved | loving |
help(~を手伝う) | helped | helped | helping |
write(~を書く) | wrote | written | writing |
know(~を知る) | knew | known | knowing |
cut(~を切る) | cut | cut | cutting |
受動態では、基本的に「主語 + be動詞 + 動詞の過去分詞形・・・」という流れで文を組み立てていきます。
↓ 過去分詞については、こちらでくわしく解説しています
能動態と受動態の例文
ここからは、能動態と受動態の例文を比較しながら見ていきます。
【能動態】 He takes good photos.(彼は良い写真を撮る。)
【受動態】 Good photos are taken by him.(良い写真は彼によって撮られている。)
能動態の文での目的語(good photos)が、受動態の文の主語として使用されます。
受動態では、動詞は takes → are taken(be動詞 + 過去分詞)に変更されます。
能動態で主語だったHeが、受動態のby ~ の部分に入り「動作を行った人」を表現します。
能動態での主語を受動態のby ~ の部分に持ってくる場合、主格(he)から 目的格(him)に変える必要があります!
受動態の過去形は、以下のように「be動詞の過去形 + 過去分詞(+ by ~)」で表します。
【能動態】 She helped the stray dog.(彼女がその野良犬を助けた。)
【受動態】 The stray dog was helped by her.(その野良犬は彼女によって助けられた。)
受動態の文を現在形から過去形に変えるには、be動詞を現在形 → 過去形に変更すればOKです。
ちなみに、受動態の未来形は「主語 + will + be + 過去分詞」を使って表します!
by を使わない受動態
受動態の「~よって」の部分は by ~ で表現しますが、by以外の前置詞をとるものもあります。
【受動態】 The old painting was covered with dust.(その古い絵は埃で覆われていた。)
【受動態】 Bread is made from wheat.(パンは小麦から作られる。)
【受動態】 I am surprised at the news.(私はそのニュースに驚いている。)
受け身の動作だけを表現する場合や、動作を行う人が誰なのかわからない場合は、by ~ を省略することもあります。
【受動態】 A lot of rice is stored in the warehouse.(たくさんのお米が倉庫に保管されている。)
動作主が、we・you・they・people・someoneなどの場合も by ~ が省略されることがあります!
【能動態】 People speak English in Australia.(オーストラリアでは人々は英語を話す。)
↓
【受動態】 English is spoken in Australia.(オーストラリアでは英語が話されている。)
まとめ:能動態と受動態の違いや作り方
能動態と受動態の違いや作り方について解説しました。
振り返ると、以下のようになります。
● 能動態は「主語が自分で動作を行っている」状態の文章
● 受動態は「主語が外から動作を受ける = 受け身」状態の文章
● 受動態の文は「be動詞 + 過去分詞(+ by ~)」で作れる
● 受動態の過去形は「be動詞の過去形 + 過去分詞(+ by ~)」で表す
●場合によっては「by ~」が省力される
受動態のポイントは、「be動詞と動詞の過去分詞形を同時に使う」という点です。
最初は少し違和感を覚えるかもしれませんが、慣れてくると自然に使えるようになります。
簡単な文を使って、能動態→受動態の書き換えを何度か練習してみるとよいでしょう。
↓ be動詞については、こちらの記事でも解説しています