関係代名詞の【目的格】って?考え方と作り方を解説

関係代名詞の【目的格】って?考え方と作り方を解説 やりなおし英文法

英語の関係代名詞は、内容に共通点があるふたつの文を結びつけます。

関係代名詞には主格・所有格・目的格の3つがありますが、3つのうちのどれが適切なのかは、「ふたつの文に共通している単語が、どのように文中で使われているか」によって決まります。

本記事では、関係代名詞3つのうちの【目的格】について、考え方や文の作り方を解説します。

英語の関係代名詞とは

まずは、英語の関係代名詞について簡単に説明していきます。

関係代名詞とは、前に置かれた名詞(先行詞と呼びます)を修飾する時に使われる代名詞のことを言います。

主格・所有格・目的格の3つがあり、先行詞が「人の場合」と「人以外の場合」によって使い分けます。

先行詞が「人」の場合先行詞が「人以外」の場合
主格who・thatwhich・that
所有格whosewhose
目的格whom・thatwhich・that

また、主格・所有格・目的格は、それぞれ以下のような役割を持っています。

主格 … 文の主語として使われる 「~は」
所有格 … 名詞の前に置かれて誰のものかを表す 「~の」
目的格 … 動作の対象を表す 「~に」「~を」

↓主格・所有格・目的格については、こちらの記事でも解説しています

関係代名詞【目的格】の考え方と作り方

では、関係代名詞【目的格】は、文中でどのように使われているのでしょうか。
例文を見ていきましょう。

He is the teacher whom we like.(彼は、私たちが好きな先生です。)

この例文では、関係代名詞 whomが、内容に共通点があるふたつの文を結びつけています。

① He is the teacher.(彼は先生です。)
② We like him.(私たちは彼が好きです。)

①の文にある「the teacher」と②の「him」は同一人物のため、ふたつの文の共通点と見なすことができます。

himは②の文で目的語として使われているため、関係代名詞【目的格】の whomを使って teacherを修飾します。

先行詞の teacherは人を表す単語なので、関係代名詞 whomを使います!

もうひとつの例文を見てみましょう。

This is the piano which my parents gave me.(これは両親が私にくれたピアノです。)

この例文では、関係代名詞 whichが、内容に共通点があるふたつの文を結びつけています。

① This is the piano.(これはピアノです。)
② My parents gave me it.(両親が私にそれをくれました。)

①の「the piano」と、②の「it」は同じピアノを表現しているため、ふたつの文の共通点と言えます。

itは②の文で目的語として使われているため、関係代名詞【目的格】の whichを使って pianoを修飾します。

先行詞 pianoは人ではないので、ここでは whichを使用します!

関係代名詞【目的格】文の作り方

関係代名詞【目的格】を使った英文の作り方は、以下のようになります。

① ふたつの文の共通点となる単語を見つける

・ I know the girl.(私は女の子を知っています。)
・ You like her.(あなたは彼女が好きです。)

共通点となる単語は、「girl」と「her」

② ふたつの単語のどちらが「修飾される側」になるのか確認する

her のような代名詞が修飾されることはないため、girlが「修飾される側」となります

③ 修飾する側の文にある共通単語が、目的語として使われていることを確認する

修飾する側の文 You like her. の herは、文中で目的語として使われている。

関係代名詞【目的格】を使って先行詞の修飾が可能

④ 先行詞が「人」か「人以外」かを確認

先行詞 girlは人を表す単語であるため、whomを用いて修飾する。

I know the girl whom you like.(私はあなたが好きな女の子を知っています。)

関係代名詞【目的格】でふたつの文をつなげた際、修飾する側の文にある共通単語を削除することがポイントです!この場合は herが削除されています。

関係代名詞【目的格】は省略可能

省略ができることも、関係代名詞【目的格】の特徴です。

This is a book which I wrote. → This is a book I wrote.
(これは私が書いた本です。)

That person is the singer whom I love. → That person is the singer I love.
(その人が、私が大好きな歌手です。)

関係代名詞【目的格】と【主格】の違い

ここまで関係代名詞【目的格】について見てきましたが、【目的格】と混同しやすいものとして関係代名詞【主格】があります。

【目的格】と【主格】はどのように違うのでしょうか。

大きな違いとして挙げられるのが、関係代名詞の後ろに続く文の形です。

【目的格】The movie which I watched yesterday was so interesting.
(昨日見た映画はとても面白かったです。)

【主格】I like the food which is made by my husband.
(私は夫が作る料理が好きです。)

【目的格】では、関係代名詞の後に「主語+動詞」が続きます。一方、【主格】では関係代名詞のすぐ後ろに「動詞」がきます。

さらに、上の文をふたつに分けて考えてみましょう!

I like the food which is made by my husband.
       ↓
① I like the food.(私は料理が好きです。)
It is made by my husband.(それは夫によって作られます。)

①の文にある「the food」と②の「It」は同じものを表しているため、ふたつの文の共通点と見なすことができます。

Itは②の文で主語として使われているため、関係代名詞【主格】whichを使って the foodを修飾します。

【目的格】と【主格】はthatも使用可能

関係代名詞の【目的格】と【主格】は、thatでも代用可能です。thatはどんな先行詞でも使用できます。

【目的格】This is the school that Taro went to last year.
(これは太郎が去年通っていた学校です。)

【主格】I have a younger sister that lives in the United States.
(私にはアメリカに住んでいる妹がいます。)

関係代名詞thatが優先的に選ばれる場合

thatが優先的に選ばれる場合もあります。主なものを以下で紹介します。

①先行詞が「人」と「人以外」の両方である

【主格】I can see the girl and her dog that are running around.
(走り回っている女の子と彼女の犬が見えます。)

先行詞が「the girl and her dog(女の子と彼女の犬)」であるため、thatを使用します。

②先行詞が最上級の形容詞で修飾されている

【目的格】This is the most wonderful view that I have ever seen.
(これは、私が今まで見た中で最も素晴らしい景色です。)

先行詞 viewが、最上級の形容詞「the most wonderful(もっとも素晴らしい)」で修飾されています。

③先行詞にthe only、the first、the veryなどの限定語句がついている

【目的格】He is the only person that she can truly trust.
(彼は、彼女が本当に信頼できる唯一の人です。)

the only(唯一の)、the first(初めての)、the very(まさにその)など、修飾する名詞を明確にしたり、強調したりする限定語句がついている場合は、thatを使用します。

④先行詞がeverything、somethingなど、~thingの形をしている

【目的格】I want to give my daughter everything that she wants.
(私は、娘が望むものはすべて与えたいと思っています。)

先行詞が「everything(すべてのもの)」であるため、thatを使用します。

これらの使い方を「thatの特別用法」と呼びます!

まとめ:関係代名詞【目的格】の考え方と作り方

関係代名詞【目的格】の考え方と、文の作り方を解説しました。

最後に、今回解説した内容を簡単にまとめます。

●関係代名詞は、前に置かれた名詞(先行詞)を修飾する時に使われる代名詞のこと

●【主格】【所有格】【目的格】の3つがあり、関係代名詞によってふたつの文が結びつけられる

●【目的格】ではwhom(先行詞が人)・which(先行詞が人以外)・that(どちらもOK)を使用する

●【目的格】では関係代名詞の後ろに「主語+動詞」が続く

●【目的格】は省略することができる

関係代名詞を使った文は長くなる傾向があるため意味がつかみにくいですが、「ふたつの文が共通点によってつながっている」という点を意識して読んでみるとよいでしょう。

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