使役動詞と知覚動詞の特徴!受動態には toが必要

使役動詞と知覚動詞の特徴!受動態には toが必要 やりなおし英文法

動詞の中には、「使役動詞」「知覚動詞」とよばれるものがあります。

使役動詞は「人やものに何かをさせる動詞」、知覚動詞は「人の五感(見る、聞くなど)を表す動詞」です。

この記事では、使役動詞と知覚動詞の特徴を例文をまじえて紹介。使役動詞・知覚動詞の受動態についても、あわせて解説します。

使役動詞の特徴

使役動詞は「~に…させる」「~してもらう」という意味を表す動詞のことで、make・have・let の3つがあります。

He makes me smile.(彼は私を笑わせる。)

使役動詞 + O(目的語)+ 動詞の原形 で、「Oに~させる」「Oに~してもらう」という意味を表します!

第5文型(SVOC)の形をとることも、使役動詞の特徴のひとつとしてあげられます。

第5文型とは、主語Sと動詞V、目的語O、補語Cで構成される文型のことをいいます。

主語S動詞V目的語O補語C
Hemakesmesmile.
彼は~させる私を笑う

→ He makes me smile.(彼は私を笑わせる。)

↓ 英語の5文型については、こちらの記事でくわしく解説しています

使役動詞 makeの例文

使役動詞 make は、強制的に「~させる」という意味を持ちます。

His mother made him clean the room.(彼の母は彼に部屋を掃除させた。)

His mother(彼の母)が、him(彼に)clean(掃除する)ことを made(させた)という意味になります。

The medicine made me be well.(その薬が私を健康にさせた。)

The medicine(その薬)が、me(私を)be well(健康である)状態に made(させた)という意味を表します。

↓ make については、こちらの記事でも解説しています

使役動詞 haveの例文

使役動詞 have は、「~してもらう」という意味を持ちます。

I have her cook because I am not good at cooking.(私は料理が苦手なので、彼女に料理を作ってもらっている。)

I(私)が、her(彼女に)cook(料理する)ことを have(してもらう)という意味を表現します。

He had his sister help with homework.(彼は姉に宿題を手伝ってもらった。)

He(彼)が、his sister(彼の姉に)help(手伝う)ことを have(してもらう)という意味になります。

↓ have については、こちらの記事でも解説しています

使役動詞 letの例文

使役動詞 let は、「~するのを許す」という意味を持ちます。

The teacher let the students be free.(その教師は生徒達を自由にさせた。)

The teacher(その教師)が、the students(生徒達)に be free(自由でいる)ことを let(許可した)という意味になります。

Let me know your email address.(あなたのメールアドレスを私に知らせてください。)

me(私に)know(知る)ことを Let(許す)という意味になります。この文は命令文のため、主語は存在しません。

強制力の強さは、make > have > let の順になります!

使役動詞として用いることができるget

動詞 get も使役動詞として用いることができますが、上の3つの使役動詞とは使い方が異なります。

get + O(目的語)+ to不定詞 で、「Oに~してもらう」「Oに~させる」という意味を表します。

I got my husband to wash dishes.(私は夫に皿を洗ってもらった。)

I(私)が、husband(夫)に to wash(洗うこと)を got(してもらった)という意味になります。

He always gets his dog to sit before feeding.(彼はいつも餌をやる前に犬を座らせる。)

He(彼)が、his dog(彼の犬)に to sit(座ること)を gets(させる)という意味を表します。

↓ get については、こちらの記事でも解説しています

知覚動詞の特徴

つぎに、知覚動詞の特徴を紹介します。

知覚動詞は、「見る」「聞く」「感じる」など人の五感を表す動詞のことをいいます。

I saw him walk.(私は彼が歩いているのを見た。)

知覚動詞には、以下のようなものがあります。

例: see(見える)、watch(じっと見る)、hear(聞こえる)、listen to(耳を傾ける)、feel(感じる、)、notice(気づく)、smell(嗅ぐ) など

知覚動詞は、使役動詞と同じく第5文型(SVOC)の形をとります。

主語S動詞V目的語O補語C
Isawhimwalk.
私は見た彼を歩く

→ 私は彼が歩いているのを見た。

知覚動詞は、使い方が3種類あるのが特徴です。

知覚動詞 + O(目的語)+ 動詞の原形 → 「Oが~するのを…する」

知覚動詞 + O(目的語)+ 動詞の現在分詞形(~ing) → 「Oが~しているのを…する」

知覚動詞 + O(目的語)+ 動詞の過去分詞形 →「Oが~されるのを…する」

補語の語形が変わることで、表す意味も変化します!

以下で、知覚動詞の例文をいくつか見ていきましょう。

知覚動詞 seeの例文

知覚動詞 see は、「~を目で見る」「(自然と)目に入る」「見える」などの意味を持ちます。

I saw her run.(私は彼女が走るのを見た。)

I(私は)、her(彼女)が run(走る)のを saw(見た)という意味を表します。

She saw the bear trapped.(彼女はクマが罠にかけられているのを見た。)

She(彼女は)、the bear(クマ)が trapped(罠にかけられる)のを saw(見た)という意味になります。

補語が過去分詞形(trapped)のため、「~されるのを」と訳します。

知覚動詞 listen toの例文

知覚動詞 listen to は、「耳を傾ける」「(音楽を)聴く」「(話を)聞く」などの意味を持ちます。

He listens to her play the piano.(彼は彼女がピアノを弾くのを聴く。)

He(彼は)、her(彼女)が play(弾く)のを listen to(聴く)という意味になります。

We listened to him talking about the accident.(私達は彼がその事故について話しているのを聞いた。)

We(私達は)、him(彼)が talking(話している)のを listened to(聞いた)という意味を表します。

補語が現在分詞形(talking)のため、「~しているのを」と訳します。

知覚動詞 feelの例文

知覚動詞 feel は、「感じる」「感知する」「触ってみる」などの意味を持ちます。

They felt the ground shake.(彼らは地面が揺れるのを感じた。)

They(彼らは)、the ground(地面)が shake(揺れる)のを felt(感じた)という意味になります。

I felt someone getting closer.(私は誰かが近づいてくるのを感じた。)

I(私は)、someone(誰か)が getting closer(近づいてくる)のを felt(感じた)という意味を表します。

補語が現在分詞形(getting)のため、「~しているのを」と訳します。

使役動詞と知覚動詞の受動態

使役動詞と知覚動詞は、受動態にも特徴があります。

↓ 受動態については、こちらの記事でくわしく解説しています

使役動詞の受動態

使役動詞の受動態は、be動詞 + 使役動詞の過去分詞形 + O(目的語)+ to不定詞 で表すことができます。

【能動態】He makes me smile.(彼は私を笑わせる。)

【受動態】I was made to smile by him.(私は彼に笑わされる。)

知覚動詞の受動態

知覚動詞で、補語が「動詞の原形」の場合も、 be動詞 + 知覚動詞の過去分詞形 + O(目的語)+ to不定詞 で受動態を表すことができます。

【能動態】I saw him walk.(私は彼が歩いているのを見た。)

【受動態】He was seen to walk by me.(彼は歩いているのを私に見られた。)

補語が、「動詞の現在分詞形」「動詞の過去分詞形」の場合は、to不定詞にする必要はありません。

【能動態】She heard him humming.(彼女は彼が鼻歌を歌っているのを聞いた。)

【受動態】He was heard humming by her.(彼は鼻歌を歌っているのを彼女に聞かれた。)

まとめ:使役動詞と知覚動詞の特徴

使役動詞・知覚動詞の特徴と受動態について解説しました。

まとめると、以下のようになります。

● 使役動詞は「~に…させる」「~してもらう」を表す動詞で、make・have・let の3つある

●「使役動詞 + O(目的語)+ 動詞の原形」の形で使用する

● 動詞 get を使役動詞として使う場合は「get + O(目的語)+ to不定詞」の形で使う

● 知覚動詞は、「見る」「聞く」「感じる」など人の五感を表す動詞のことをいう

● 使い方は
 ①知覚動詞 + O(目的語)+ 動詞の原形
 ②知覚動詞 + O(目的語)+ 動詞の現在分詞形(~ing)
 ③知覚動詞 + O(目的語)+ 動詞の過去分詞形    の3つある

● 使役動詞の受動態は、「be動詞 + 使役動詞の過去分詞形 + O(目的語)+ to不定詞」で表す

● 知覚動詞で、補語が「動詞の原形」の場合の受動態も、
「 be動詞 + 知覚動詞の過去分詞形 + O(目的語)+ to不定詞」で表す

使役動詞と知覚動詞、それぞれが持つ役割や文の構造を理解しておけば、英文をより正しく訳せるようになるでしょう。

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